〝軽さ〟〝薄さ〟強度〟をあわせ持つドライカーボン
特殊な機材と技術力が生んだニューアイテム
カーボン素材の綾織模様が生み出す独特の存在感と高級感は、カスタムマシンのドレスアップに非常に効果的で、なおかつマシンの軽量化にも貢献する。カスタムを愛するライダーにはカーボンはもはや必須のアイテムといっても過言ではない。
高いデザインセンスで、独特の存在感を持ったカウルやフェンダーなどを積極的にリリースするボディワークメーカー〝エーテック〞は、カーボンを使用したエアロパーツブランド〝ブラックダイヤモンド〞に、ドライカーボンを使用した新たなシリーズの展開を開始した。
一口にドライカーボンと言ってもピンとこない読者も多いのではないだろうか。カーボンパーツは一般的に、カーボン素材にガラス繊維のマット、ガラスクロスといった素材を何層も重ね、常温で固められて完成する。これは〝ウェットカーボン〞と呼ばれ、カーボン製品の数多くはこの製法で製作されている。対してドライカーボンは、航空機など軍需産業から生み出された技術で、その製作には特殊な機材が使用される。やはり何層にも重ねられた素材は、専用の特殊な容器のなかで空気を抜き、高い圧力を加える。そして非常に高い温度で焼くことで完成するのだ。でき上がった製品はウェットカーボンに比べると相当薄く軽量で、それでいて高い強度を有している。カバーの裏にケブラー繊維を重ねることで、万一の転倒でも製品は割れたりちぎれたりすることはない。ただし、表面の仕上げに要する技術はウェットカーボンに比べるとかなり高度になるということだが、長年カーボンを扱ってきたエーテックの持つ高い技術力は、ドライカーボンという新たな素材をアフターマーケットに導入することを可能にしたのである。
今回エーテックは、メガスポーツの代表格であるZZR1400用のドライカーボンパーツを開発した。それがドレスアップ効果と高いプロテクション効果をあわせ持つエンジンカバー〝EGガード〞なのである。また汎用パーツとしてドライカーボンを使用したフルアジャスタブルミラーの発売も開始した。こちらは軽量でありながら高い強度を有しており、軽量化にも貢献するパーツだ。ちなみに、このドライカーボンを使ったアイテムは他機種でも鋭意開発が進められていることも付記しておこう。
世界で1台の〝特別なカスタムマシン〞を製作するのであれば、もはやドライカーボンは欠かせないマテリアルなのである。
←エンジンカバーはオフセットステーを介してボルトオンで取り付け可能。また、転倒などでこのEGガードが破損してもエンジンカバー本体へのダメージは大幅に軽減される。EGガード裏にはケブラー繊維が重ねられており、割れたりちぎれたりすることはない
←ドライカーボンが使用された汎用ミラー、フルアジャスタブルドライカーボンミラータイプ2。適度にカドを残したデザインは、どんなバイクとも相性がよく、軽量化にも効果的だ。同社のドライカーボン製品には、それを示す専用のロゴが入る