
逆輸入されたときから、このZ1000Rの状態はよかった。アメリカのショールームに保管させていたことによる結果だった。外装はもとより、長期間保管されていたのにも関わらずエンジンもすぐに始動できたほどだった。ならば、その素材を活かそうと、極度なパーツ変更は避け、足まわりを中心に手が加えられた。そして、それはオーナーの要望でもあった。オーナーがバイクに乗り始めたのは80年代ということもあって、当時の雰囲気を大切にしたいという願いがあったのだ。Z1000Rの車両を選択したのも、80年代のAMAスーパーバイクに影響されたがゆえのものだ。これが反映されているのがオイルホースの取りまわしだ。エディ・ローソンが使用したZ1000S1はオイルホースをエンジン下に取りまわしていたのだ。これにプラスして、テイクパワー代表朝比奈氏が好むオイルホースの取りまわしということもあって、この手法が採用された。一方足まわりは、オーナーが望んだのはリムのみ光沢があるホイールの装着。そこで、採用されたのがPMCのソードだ。しかし、Z1000Rとソードの組み合わせに適合するブレーキローターのラインナップが見当たらなかった。そこで、朝比奈氏が図面を引いてプラスミューに特注。ワンオフのブレーキローターが製作されたのだ。さらに、フロントフォークにオリジナルチューニングをほどこして、素材を活かし、かつ乗りやすい車両を目指したのだ。

最終形をイメージして確実なパーツ変更を目指す。
今回、私たちが手を加えた内容はライトチューニングと言っていいでしょう。しかし、しっかりとポイントを押さえてセットアップを行なえば、Z1000Rのような年式の古い車両でも、非常に乗りやすくなると思います。それには、車両に手を加える前に最終的にどのようなカタチにしたいのか、しっかりイメージすることが必要です。そして、それを正確にショップに伝えることも大切だと思います。その中で、車両の変化を楽しむのもカスタムのおもしろ味の一つでしょう。

(テイクパワー代表/朝比奈岳人氏)

テイクパワーとプラスミューの合作ともいえるブレーキローターは、PMCソードとZ1000Rのフロントフォーク幅やキャリパー取り付け位置などが考慮された。オフセット量、径、取り付けピッチなどが変わっている。
←オイルクーラー
オイルクーラーにはアールズの9インチ13段を採用。オイルホース取りまわしは、AMAスーパーバイクの影響と朝比奈氏の好みからエンジン下とされた。
←チタンエキゾーストパイプ
モリワキ手曲げのチタンエキゾーストパイプ。朝比奈氏によれば、モリワキ手曲げマフラーの中でも、比較的生産数の少ないエキゾーストパイプとのことだ。
←キャブレター
キャブレターにはミクニTMRφ38mmを採用。当初TMφ34mmを装着していたが、エンジンを一度バラしたため、より扱いやすさを求めて口径を変更した。
←エキゾーストパイプ
サイレンサーはエキゾーストパイプとセットにされたモリワキのモナカタイプとなっている。このマフラーは当初テイクパワーが2本入荷し、それを見たオーナーの希望によるもの。

←リヤ
リヤにはフロント同様ワンオフのブレーキローターを使用している。キャリパーにはブレンボ2ポット、マスターにはニッシンが採用さている。
←フロントまわり
ノーマルをベースとして、スプリングにはダブリュピーを採用。さらに、圧側は柔らかく伸側は粘りがあり、かつストロークが長いというオリジナルチューンをほどこしている。
←スイングアーム
スイングアームにはPMC製を採用。また、リヤショックはオーリンズのリヤショックに変更。サスペンション性能はフロントフォークとの相関性もいいとのこと。