
自分好みのカスタムマシンを作ろうとするには、まずは車両が持つ本来のパフォーマンスをしっかりと把握することが求められる。素の状態でしっかり走り込むことで、カスタムを必要としない部分や、改善すべき部分というものがおのずと見えてくるからだ。このニンジャは、まさに〝走り込み〞のまっ最中で、今後のカスタムの方向性を決めていく過程のなかにある車両なのである。コストをかけずに、峠で楽しく走ることのできるニンジャを作りたい〞というオーナーの要望で、現状はライトカスタムにとどめられている。ベースのニンジャはA11国内仕様で、エンジン関連のカスタムはマフラーにヨシムラサイクロンの装着のみ。一方、ニンジャはもともと熱に弱いとされることから、夏場でも油温上昇を抑えて安定したパワーを発揮できるようにと容量の大きなオイルクーラーに換装している。また、自分に合ったポジションを設定するのも重要なポイントである。ステップはノーマルとしながら、バーハンドル化とコルビンシートでポジションを決定した。ブレーキも現状はスタンダードのままで、フロントのマスターのみAPレーシングに交換してコントロール性を高めている。今後は、コーナリング性能向上をねらって、ホイール交換を予定しているという。少しずつカスタムを進めていけば、その楽しみはより長く続くということも言えるのではないだろうか。今後が楽しみな1台だ。

ブレーキキャリパー、ローターはノーマルだが、マスターはAPレーシングに交換されている。高性能なマスターへの交換は繊細でコントローラブルなブレーキングを可能にし、よりスポーティな走りが実現できる。一方で生命にかかわるパーツなので、取り付けはプロに頼むのが望ましい

ハイスロットルキットを採用し、少ないアクションでワイドなアクセル開度を求めている。操作はシビアになってしまうが、ノーマルキャブレターであればそれほど気にならない

シートはコルビンに交換されている。丁寧に成型されたウレタンは、マシンのホールド性をより高めてくれる。もちろん足着き、ポジション設定にも大きくかかわるパーツだ

ニンジャはノーマルのままでは、どうしても重量感が否めない。フェンダーレスキットの採用は、実際に軽量化の効果をもたらし、かつルックスにおいても軽量感を演出してくれる

ラジエターはノーマルだが、オイルクーラーは容量の大きい社外品に交換されている。ニンジャのウィークポイントである熱対策には、なくてはならないメニューでもあるのだ

エキゾーストシステムにはヨシムラサイクロンを選択した。チタンエキゾーストパイプとカーボンサイレンサーの組み合わせで、性能の向上は当然だが、軽量化にも大きく貢献している

メーカーは不明だが社外ステーでラジエターとオイルクーラーを固定。ダウンチューブのないニンジャでは定番のパーツだが、それだけにオーナーの個性を主張できるポイントだ

クランクケース両端には、フェイズのエンジンスライダーが装着される。直4エンジンの場合、万一の転倒の際にもっともダメージを受ける箇所なので、スライダー装着が効果的だ

このニンジャのオーナーさんはかなり研究熱心で、安価でカスタムするにはどのようにしたらいいのかということを私たちスタッフに積極的に問いかけてくれます。我々ももちろんさまざまな案を提案し、綿密な打ち合わせを経てパーツやプランを決定しています。ショップにまかせっきりのカスタムでは、どうしても納得しきれない部分が出てくることもあるんですが、しつこいくらいに打ち合わせてプランを設計していけば、納得のできるカスタムマシンがができ上がります。
サイクルワールド神戸本店スタッフ/山内洋典氏