根強い人気のZは、カスタムも進化の途上にある。先進のビルダーは、美しさとそれに見合う性能、そのすべてを備えた車両作りを目指す。カスタムはオーナーの自己満足ともいわれるが、周囲の評価も完全無視とはいくまい。ならば、このZ2のようにあらゆる面で魅せることにこだわりたい。 第一は、個々の特性を理解し
たパーツ選びが生む機能性。エンジンはヨシムラのキャブレターとモリワキのマフラーで吸排気を固め、同時に点火系や冷却系も見直し、ボアアップの効果を最大限に引き出した。 第二は、バイクの形状という意味でのシルエット。これは前項同様パーツセレクトにおいて、機能一辺倒ではなく視覚的なバランスまで考慮すること。その好例はモリワキのチタンモンスターだ。数あるエキゾーストから、性能を妥協しないまま、Zのフォルムに合うクラシカルなデザインを選んだ。 第三は、地味すぎず派手すぎ
ない、一貫したコンセプトの色調。光線の具合で表情を変えるキャンディレッドをアクセントに、そのほかはブラック&クロームで徹底。ホイールやスイングアーム、バフ掛けしたフロントフォークなど、足下に光モノを集中させ、リヤショックはあえてモノトーンのクァンタムを採用した。エンジンは再塗装で漆黒を取り戻す念の入れよう。 パワーユニットや足まわりからコックピットに至るまで、どこを見ても機能性とシルエットと色調が高次元でバランスされている、まさに珠玉の1台だ。

ベルリンガーのマスターやカーボン仕様のメーターパネルをはじめ、外装のアクセント色に合わせたハンドルブレースとグリップエンドなど、コックピットにはこだわりが満載だ。

電装系パーツが刷新されているのはいうまでもないが、PMCのステンレスプレートを用いてそれらをシート下に集約。見た目にキレイなうえ、メンテナンス性も申し分なし。

ワイセコのφ73㎜ピストンとウェブのST-1カムシャフトを組んだエンジンは、ポート形状の最適化やバルブの鏡面仕上げを経て、スムーズさとパワフルさが増した。

クァンタムのフルアジャスタブルショックは、機能性を活かせるようレイダウン。ノーマルのマウント位置には荷かけフックとグラブバーを装着することで、受けを隠した。

ショーワのフロントフォークはスプリングをダブリュピーに変更。ボトムケースのポリッシュ処理は、ホイールやスイングアームを含む足まわり全体に統一感をもたらした。

ワイドホイールの装着にともない、スイングアームはPMCのスタビライザー付きに換装。剛性アップのほか、ピボット部キャッチタンクによる省スペース化など多くのメリットを享受。

マフラーはモリワキのチタンモンスター。手曲げエキゾーストパイプやモナカサイレンサーの美しさばかりに目がいきそうだが、サーキット生まれのその性能はまさに折り紙付きだ。

カラーリングはバイクの印象を決定付ける大切な要素。色調もデザインも自由ですが、だからこそ頭を悩ませます。依頼方法は一般的に、細部まで指示するかショップに任せるか。しかし最良はその中間。イメージをしっかり伝えショップの意見を聞くとい
う、綿密な打ち合わせがキーポイントになってきます。そして、最後はイラストに加え、塗装サンプルで発色とバランスも確認したいところですね。そのプロセスに手間暇をかければ、完成時の喜びや満足感も倍増することでしょう。カスタムショップB代表/原勝哉氏・写真はスタッフ