
オートマジックが「集大成となるZです」と自信を持って言い切る車両である。テイスト・オブ・フリーランスなどのレース活動を通じてつちかったデータと技術が盛り込まれたスペックを持つスーパーZとでもいえようか。車両自体はZ2がベースとなっている。エンジン内部はビッグバルブやガイド、スプリング、燃焼室加工、面研。ワイセコのピストンで1045ccにボアアップ。ファルコンのクランク組み込み、シムからスタッドボルトに至るまで、チューンされたすべてを羅列するには枚挙にいとまがない。他にもストリート用にアレンジされたハイパワーなエンジンのために油圧クラッチやセルモーターまで強化されている。街中での使い勝手も十分に考慮されたものとなっている。
今回、オートマジックが新しく提案するのはエンジンマウント部をすべてプレート式に変更し、エンジン本体の搭載位置を変更可能にするということ。バイクは力学的に言えば前に進む力はスイングアームがピボットを押すという行為で生まれているのです。だからエンジンのカウンターシャフト、ピボット、ホイールのアクスルとの位置関係の見直しでアンチスクワットへの好影響を大がかりにピボット位置の変更をすることなく模索できるようになります」と代表の荒木氏は言う。他にもメリットを生む手法であるが、カスタムにおいてあらゆる難題に取り組んできたオートマジックは、さらに難しい領域へと足を踏み入れていくようだ。

チェーンライン確保のためのフレーム加工について
ワイドホイールを履かせるためにピボット付近のフレーム側にザグリを入れて無理にチェーンラインの確保をする手法が見られますが、これはフレームの強度を考えてもいい方法ではありません。ピボット付近はさまざまな応力が集中する個所です。そこを削って薄くすればどうなるかはわかるはずです。剛性を考えたやり方なら問題はないでしょうが、当ショップでは、その部分に左右に渡るパイプを切断しフレームに無理なく広げる手法を取っています。

(オートマジック代表/荒木美佐夫氏)

エンジンをプレートマウントすることにより、ミリ単位での搭載位置の変更が可能になった。その効果はこの車両を例にするならZ1からGPz1100までのエンジン換装も可能になる。他にもメリットが生まれてくる。
←メーター
旧車といえどメーター類もリフレッシュすることでカスタムの効果は高まるものだ。青字光式のホワイトメーターとオイルテンプメーターを装備する。
←フロントフォーク
高い剛性をもつステムはオートマジックオリジナルのZ1/2専用キットに交換。これでフロントフォークの性能を最大限に引き出し走行安定性も向上するとのこと。
←シート
表皮をバックスキン風にして、乗り心地の快適さと見た目のアクセントをつける加工がほどこされたシート。ライディング時には常にお世話になる部分だけに気をつかいたい。
←リヤショック
セミオーダーとなるスイングアームは目の字断面の構造をもち、専用のアクスルシャフトとともに軽量化と高剛性を両立している。リヤショックはオーリンズをチョイス。
←リヤ
ブレーキング製の花弁状のローターが目を引くリヤまわり。キャリパーはニッシンの2ポット。ベースはドラムブレーキであるが公認申請済みの部分である。
←フロントブレーキ
フロントブレーキ・キャリパーはニッシンの6ポット。ビレット成型のサポートとともにブラックボディで差をつける。もちろんストッピングパワーに不満はない。
←マフラー
車体とのクリアランスも絶妙な曲線でまとめられるマフラーはオートマジックオリジナル。中間パイプにこだわり、フルチタンの手曲げ加工で製作され、手の込んだ逸品である。