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メカニズム解説企画 ~maffler マフラー偏~

カスタムを行なう前に、バイクの基本的なメカニズムを理解することは必須。「理解しているつもり」ではかえって危険を招くこともある。今回はカスタムの定番ともいえるマフラーがテーマだ。カスタムビギナーに向けてわかりやすく解説するゾ!

定番カスタムパーツとして多数のメーカーからラインナップされているマフラー。サイレンサーとエキゾーストパイプがつかさどる本来の役割とは?




バイクが走るための動力を得る最終工程に位置するエキゾーストシステム。さまざまなパーツから構成されるサイレンサーと排気を導くエキゾーストパイプから構成される。

一般的に言われるマフラーとはエキゾーストシステム(排気機関)のことを言い、日本名では消音器と呼ばれる。ガソリンエンジンが動力を得るためには、吸気→燃焼→排気の3行程を1サイクルとして繰り返す必要がある。その最終工程をになっているのがマフラーだ。その役割は大きく4つ。一つ目は燃焼工程で発生した爆発音の抑制。基本は排出口がエンジンから遠ければ遠いほどその効果は高い。2つ目は燃焼工程で発生した排気ガスに含まれる有害物質の浄化。近年、地球温暖化などで厳しくなる規制をバックグラウンドに、各メーカーは頭を抱えている。3つ目は排気ガスの整流化。そのままではエンジン内にたまってしまう排気ガスを効率よく排出するためには必要不可欠なパーツなのだ。4つ目はエンジン特性の味付け。たとえば太いトルクを得たいならばエキゾーストパイプを細く長く、より大きいパワーを獲得するには太く短くするのがセオリーだ。このように一見すると単純なマフラーは非常に奥が深く、バイクの特性に大きく影響する。それはどういうメカニズムでこれらの役割をこなしているのかを学び、今後のカスタムライフに役立てていこう。


ノーマル車両に装着されているマフラーの大半は多段膨張式が採用されている。一方、リプレイスマフラーのほとんどはストレート構造を用いられているが、その違いはまさしく言葉のとおりだ

ストレートタイプ

貫通構造を持つサイレンサー。軽量かつヌケがよいことから高出力を発揮しやすい。そのためアフターパーツメーカーで採用される確率が極めて高いが、消音効果や排ガスの浄化性能は多段膨張式に劣る。




多段膨張式

ノーマルマフラーの代名詞的存在の構造。複数のレゾネーター室を大回りするように排気ガスが通過して排出される。パーツ点数が多いため、重く、コスト高だが、浄化性能と音のコントロール性に富む



キャタライザ

近年、取りざたされている排ガス規制問題。06年1月以降発売のモデルには新たな規制が適用され、もはやマフラーには不可欠となった有機触媒。ハニカム(ハチの巣)状の隙間を排気ガスが通ると有害物質を化学反応で浄化する構造だ。触媒自体は変化しないため、理論的には永久に使用できるものだが、カーボンの蓄積などで効率が低下する。ちなみに、ハニカム状と比べ、ヌケがよいストレート構造を持つキャタライザーもある。



排気デバイス

集合部よりもサイレンサー側のエキゾーストパイプに装着されている可変式バルブ。各回転域でバルブタイミングを調整し、排気タイミングを調整してエンジン特性の向上と排気音の抑制をねらっている。ちなみに、バルブタイミングが遅いとエキゾーストパイプが長いことと同様の効果、つまり、太いトルクを発揮できるということになる。また、排気脈動が跳ね返るタイミングもコントロールし、排気効率向上にも貢献している。 現在のインライン4モデルのマフラーは集合タイプが主流。しかし、一口に集合マフラーといっても形式はさまざま。ここでは主流の4タイプを例に挙げ、その特徴を説明しよう。

4in1

各シリンダーから延びたエキゾーストパイプがオイルパンの真下辺りで太いセンターパイプに接続する集合方式。4本同時に集合しているため、特定回転域において集合部分で排気が混み合い、トルクの谷が発生しやすい。また、集合部の排気流の関係で、低速トルク不足になりがちな場合が多い。しかし、高回転域においては伸びがある特性と、4in1ならではの独特のエキゾーストノートから、こだわりを持つ根強いファンも多い。




70年代のカスタムバイクに多く見られた4in1集合形式。高回転重視の特性を持つため、実用性能よりも絶対性能重視の構造。しかし、その音にこだわりを持つファンも多い






4in2

80年代を代表するGSX1100S KATANAやGPZ900Rをはじめ、多くの純正マフラーで採用されていた方式。隣接する気筒の排気脈動を利用することができ、中低回転域から安定した出力特性を発揮することや、サイレンサーが1つのタイプよりも消音効果が高いなどのメリットがある。しかし、重い、コスト高などのデメリットから最近のニューモデルではほとんど採用されていない。




GPZ900Rのエンジン&マフラー。1番&2番と3番&4番と、隣接した気筒から出るエキゾーストパイプがそれぞれ1本のサイレンサーに接続されているのがわかる





4in2in1

近年主流の集合方式。その名の通りシリンダーから延びた4本のエキゾーストパイプが2本になり、その後、センターパイプで1本となる。低回転域のトルクを確保しつつも中回転~高回転にかけての出力向上を追求した形状だ。その集合パターンも1番&4番と2番&3番、1番&2番と3番&4番など多種多様。もちろん、形式によってそれぞれ異なったキャラクターを持っている。また、4in1同様、サイレンサーが1つのため軽量である。




低回転域~高回転域まで比較的フラットな特性を持つ集合方式。最近は開発技術が進み、4in1との大きな特性の違いはないものの、やはりこの方法を採用するモデルは多い





4

集合マフラーという概念が生まれる前の70年代前半までのバイクは1気筒ごとに1本のマフラーが延びていた。この4本出し方式も例外ではない。ウエイトも重く、排気脈動が利用できないため、高回転域での伸びが期待できないが、中低回転域においては太いトルクを発揮。エキゾーストノートは4本のサイレンサーが音量を抑制。低くて歯切れのよいサウンドになる傾向にあり、見た目のインパクトも大きい。




往年の名車ZやCB750FOURなどが登場した70年代によく採用していた方式。左右に延びた4本のサイレンサーが強い存在感をアピールする